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2012年1月15日日曜日

『バカをつくる学校』 4

49 時間割(子どもたちのスケジュール)は、依存的な/従順な人間を作り出すための隠れた手段だ。彼らは自分の時間の使い方がわからず、自己の存在の意味も目的もわからない。この依存的で無目的な生き方は、国民的な病気である。それは学校やテレビ、習い事と深い関係があるはずだ。
 深刻な社会問題 ~ 麻薬や暴力、愚かな競争、性の乱れ、ギャンブル、アルコール、そして金品への執着 ~ もまた、じつは依存的な人格による病気であり、学校教育の産物にほかならない。 ← 他者依存症を作り出す学校が、依存症の社会を築き上げるのに大きく貢献している。自立した人間、自らの責任で行動する人間を探すことの難しさ?

50~52 そして子どもはこうなった
① 大人の世界に無関心になる
② 集中力がほとんどなく、あっても長続きしない
③ 未来に対する認識が乏しく、明日が今日とつながっているという感覚がない
④ 歴史に関心がない
⑤ 他人に対して残酷になる
⑥ 親しさや正直さを拒絶する
⑦ 物質主義になる
⑧ 依存的で、受け身で、新しい挑戦に臆病になる
 ← まさに現代の日本!? (東日本大震災+東電原発事故は、こういう流れにストップをかけてくれるきっかけになるのか?) 『ギヴァー』で描かれている世界もこれらとオーバーラップするところが多分にある。

53 この140年間、アメリカは「専門家」からなる司令部 ~ 中央のエリート集団 ~ の命令を、人々に押しつけようとしてきた。しかし、それはうまくいかなかったし、これからもうまくいかないだろう。そもそも、国民を中央の命令に従わせることは、民主主義というこの国の壮大な実験を否定するものだ。 ← アメリカの中央は、日本のそれよりもはるかに弱い。50の州がすべて中央と言っていいぐらいだから。
 スウェーデンと神奈川県の人口が近いことを考えると、文科省がすべてをコントロールする形よりも、各県が独立国のように競争した方が(いい意味で)、はるかにいいものができる可能性は高い。少なくとも、受身的でなくなり、主体的に行動する人が増えるわけだから。

54 (ヨーロッパの)エリート教育の根底には、自己認識こそ真の認識の土台だとする信念がある。そこでは、どの年齢の子どもも、自分一人で対処すべき課題を与えられる。その課題には、孤独に打ち勝つということも含まれる。 → 「7つの大罪」と対極にある教育

55 ところが、いまの学校教育は、子どもたちが自己認識を深めるための時間を奪い去っている。・・・どんな幼い子どもでも、自分で学習できることを信じなければならない。私たちは、子どもたち一人ひとりが、それぞれの個性や自信を深められるようなカリキュラムをつくらなければならない。  → WW&RW。一斉授業で教科書をカバーする授業では、それは無理。
56 自己認識さえ身につけば、彼らは自力でどんどん学んでいくだろう。そして自己教育にこそ、永遠の価値がある。
  子どもたちには、今すぐ自由な時間を与えるべきである。そして、できるだけ早く、現実社会との接点を取り戻してやるべきである。→ METやCPEHSやCoalition of Essential Schools、Best Practice High Schoolなどが試みていること。 そのためには抜本的な改革が必要だ。 → 学校の中だけに閉じ込めておくことは、子どもたちのためにならない!! 48ページの「テレビ・学校・習い事」では、悲劇が続くだけ。

58 自立学習や社会奉仕、冒険、プライバシーの保護、多様な研修プログラム(1日以上の体験学習) ~ これらはいずれも、学校教育の真の改革にとって有力で、安上がりで、効果的な方法である。しかし、どんな大規模な改革を行おうと、教育の中心に家庭を置かないかぎり、病んだ子どもや病んだ社会を救うことはできない。学校が子どもを親から引き離すかぎり、悲劇は終わらないのである。
  豊かな人生の基礎となるのは、国のカリキュラムではなく、「家庭のカリキュラム」だ。健全な教育のためには、まず学校が率先して家庭生活を尊重し、親子の交流を促して、家族の絆を強めなければならない。
  抜本的な教育改革にとって最大の問題は、強大な既得権益がマスコミを支配し、学校制度そのものから利益を得ているということだ。
  私たちが耳にするのは、じつはマスコミが伝える公認の意見だけである。 ← 2011年の原発事故報道と同じレベル!!

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