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2009年11月2日月曜日

伝承のありかた

 はじめまして!兵庫教育大学大学院/シチズンシップ共育企画の三浦といいます。(来年から兵庫県で小学校の先生です。先輩方よろしくお願いします)吉田さんからいただいた新訳『ギヴァー 記憶を注ぐ者』(訳:島津やよい)を読みました。この度吉田さんから案内をいただき本プロジェクトに参加させてもらうことになりました。よろしくお願いします。

 読み始めたときは、ジョージ・オーウェル『1984』を彷彿させる管理/監視社会の様子が淡々と描き出されるところから物語は始まります。(内容がわかるといけないのでこれ以上中身にはふれません。)

 以前は別の翻訳でユース向けの書籍として以前販売されていたようですが、それはこの本の内容に即していうと、子ども(レシーヴァ-/受け取る者)のみを対象としていたということになります。「それだけではもったいない!」と本書を読んでみて思います。この本の醍醐味は子ども(レシーヴァ-/受け取る者)と大人(ギヴァー/記憶を注ぐ者)の間の(時には危険な)伝承のあり方にあるのですから。

 大人と子どもがそれぞれ読んで、大人の立場から、子どもの立場から議論したくなるようなテーマだと思うし、大人と子どもの真剣な議論に耐えうる物語の重厚性を感じました。

 歴史を知ることや、真実を伝えること、言葉の実を実感すること。それはときには苦痛を伴う。またそれは大人が一方的に決めるものではないし、子どもが勝手に選ぶものではない。そこで双方がどのような判断を下すか。そのような社会の中では見えにくい<掟>を我がこととして捉える/直視するための最適の一冊です。

ブログ「岩美という方法」
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