★本ブログへのご意見・ご感想などは giverprojectjapan@gmail.com までどうぞ。


2009年11月3日火曜日

小6のブッククラブ2回目

KAIです。
新さん、ブック・クラブの説明ありがとうございました。
確かに、意味分かんない人がいましたよね。
みなさん、すみませんでした。

新さんの説明の通り、あのような形でブック・クラブを進めています。
小学6年生が、「ザ・ギバー」にあと6冊の本、
全部で7冊の本を8チームに分かれて読み進めています。

水曜日にブック・クラブ2回目の話し合いがありました。
「ザ・ギバー」の子供たちの記録は4回分しっかりととっていきます。
アイフォンで録音もしてあります。
でもどうやってここにのっけたらいいかわかりません。
(実はまだ初期設定のまんま)

2回目は142ページまで読んでいます。では読みと振り返りです。
順番は前回と同じにしてあります(上からABCDの順)ので変容が分かると思います。

**********************************

 私は前回、ジョーナスはザ・ギバー(記憶を伝える者)に任命されるんじゃないか?と言っていたら、ほんとうにその通りになって驚いた!!あと、話し合いの中で出た意見で当たっているものがあった。それは、「このジョーナスたちが住んでいる世界は、今の人類の未来の世界だ」ということ。今はまだ色のあった世界で、きっと未来には<画一化>されて、色がなくなってしまうというということだと思う。もし本当に未来に<画一化>が起きて、色がなくなったら、すごく怖い。絶対ヤダ。 
 今回、全体の話し合いとしては、良かったと思う。目標としていた、深イイ話し合い(?)ができたと思う。今回特に話題になったテーマは、「色がない」っていういうことと、「この世界は何?」、「ここに住んでいるのは何者?」っていうことだった。色がないっていうのは白黒でもないし、きっと透明なんだろうとは思ったけど、透明なんだったら、なんで物が見えるののかが分からなかった。でも、そこにそこに住んでいる人(?)が透明なんだったら、人間じゃないじゃん!ってことになる。
 みんなで考えたのは、ここは今のような色のある時代だったけど、人間が世界で手に負えなくなって、もうどうすることもできなくなったから、<画一化>を行って、人類を強制して、”ちがい”を無くしたということだった。そんで、その後、きっとジョーナスは、この世界を変えようと決心して、自分の権力で世界を変えてくれる!と思う。だって、そうしないと物語としてもならないし、きっと<画一化>を取り消して、色が生まれたんだと思う。(1からやり直した)
 今回もいい話し合いができた! 

**********************************

 Qどうしてこんな世界にしてしまったの?
    →世界を平和にしようと、間違ったものを選んでしまった。
 Qなぜ記憶を伝えているの?
    →色や雪のようなすばらしいものを忘れないように。
     (でも忘れたくないんだったら捨てるなって感じ…)
 Q本当の幸せとは?  
    →自由とか、自分らしく生きることが幸せなのかなぁ?  

 よくわからないけれど、うちはこの世界は幸せとは言えないと思う。みんなが人それぞれ個性とか自分らしさとか持ってていい。あ、でも、悪いことする人はいやだしなぁ…
 この前、うちが「これは人類の未来の姿」って言ったのは合ってるんじゃない?!だって、捨てたなら、象とかくまを知らない(っていうか、かくうの物?だと思ってる)のも説明できるし。
 たぶん、これからつらい記憶とかを伝えられて、イヤになってくる。戦争のこととか… あ!クエスチョナーでやった、「なぜ記憶を伝えている?」って、私たちが歴史を学んでいる理由と一緒なのかな?同じあやまちをくり返さないために。
 今日の目標は、「深イイ話し合いをする」だった。この目標はけっこう達成できていたと思う。あと、すごく楽しいふんい気でリラックスしてしゃべれていたのでよかった。
 話し合いの内容は、「どうしてこんな世界になってしまったの?」とか、「幸せってなんだろう?」とかいろいろしゃべった。
 「どうしてこんな世界になってしまったか?」は、人がおさえつけられないくらい悪になっちゃって、それをおさえるため?。でも、色とか日差しをなくす意味が分かんない。それはあってもいいじゃん。
 あと。「本当の幸せ」は自由なのかなぁー?とみんな言ってた。でも、今私たちが住んでいる世界は自由だけど、犯罪とかいじめとかあるし、でもだからと言って、服従させられるのはいやだ。でも、うちだったら、犯罪があっても、自由に生きられる、色とかある今の世界がいい。犯罪とかは…しかたないのかな…。止めようとしても止められるものでもないし。あー、だからあんな世界にしちゃったのかな。あと、よく分からないのは、「色のない世界」ってどういうこと?白黒でも「白」と「黒」があるし、とうめい?でもとうめいじゃ見えないじゃん。どういうことだろ?

**********************************

 「雪」が分からない、「虹」も分からない、「そり」も「斜面」も分からないって、いつの時代の話なの? ジョーナスの職業任命はないと予想していて、「当たった!」と思ったけれど、「記憶を伝える者」になったとは・・・。しかも、ザ・ギバーとは記憶を伝える者の意味だったんだー たぶん、ジョーナスはこの世界を変えてくれそう。
 この本のいいところは、ジョーナスの人間性なのかも・・・。 本当に本当にこの世界は幸せなの?〇〇ちゃんが言ってた。「この世界は、今の世界の未来」っていうのは合っていると思う。それに、今のギバーにも名前があったはずなのに、じゃあ、ジョーナスもじきに「ギバー」になるから、名前がなくなるってこと?
 私たちの今の世界から見たら「未来?」の世界はおかしいけど、じゃあ、その未来の世界から見たら、今の世界はおかしくはないの? ジョーナスはきっと世界を元に戻して変えてくれると思う。色もない(じゃあ、透明なの?見えないんじゃないの?)、個性もない(個性がないならおかしいとしか言えない)雪も、日差しもないなら、天候コントロールでなくしたなら、いつも世界は暗いの?明るいの?透明なら人間も見えないんじゃない?その前にこれは人間なの?生き物だけど何なの?体はおかしくならないの?

**********************************

 なんと!ジョーナスが<記憶を受けつぐ者>になった! 重要な役割につくと思っていたから予想は当たったと思う。今の<記憶を受けつぐ者>に出会って、つらい修行を受けて、コミュニティーの悪いところ(裏側?)が見えてくる。赤色とか雪とか、自分たちの世界にはあるのに、ジョーナスの世界にはなくて、やっぱりこの世界はおかしいと気付いてくれたからうれしかった。
 雪のところは本当に楽しそうな様子が思い浮かんだ。だからやってみたくなった。やってみたくなったのは、作家の技かなぁーと思った。
 すごく?がいっぱいになった。ジョーナスが雪を知らないときは本当にびっくりした。私は、現実?(自分たちの世界)とコミュニティーの世界は、記憶を受けつぐ者でつながってるんじゃないの?と思った。記憶を受けつぐ者は、スピーカーを切るほどの権力しかもってないような気がして。そんな小さな権力が目立ってないような…? でもそうだった。だんだん権力が弱まっているみたいだった。あと、記憶を伝えると軽くなって、もらう人は重くなる?どういうこと?と思った。
 だんだんこの世界のことがわかってきたので、予想屋はやりやすかった。私は、記憶はこっちの世界の記憶のことで、それはすーごい過去(今でいう縄文みたいな)の記憶で、それを伝える仕事。(何のためかはわからないけれど)で、「いずこ」や「リリース」は、こっちの世界の動物や植物になるんじゃないかなぁーって思った。そのタイムマシンみたいなものの役割だからつかれるのかなぁーと思った。ジョーナスはコミュニティーの世界に不快感?違和感を感じているから、ジョーナスはこの世界を、雪や赤色がある世界にもどしていくと思う。早く本当の事が知りたい!
 今回は、クエスチョナー中心の話し合いだった。なんとなーく本の中ではこの世界のことがわかったような気がしたけど、話し合ってみると、すごいたくさん疑問が出てきて、まだまだ謎が多いなぁーと思った。

 ・なぜ記憶を伝える者が存在するの?
 ・なぜ色をなくしてしまったの?それってどういう世界?
 ・今の世界は平和そうだけど、ちがう。じゃあ、本当の「幸せ」とか「平和」って何?
 ・作者はこの本で何を伝えたかったの?

などなど。深いなぁ…と思う質問がたくさんでてきた。どれも難しいなぁと思った。
 今の世界が幸せじゃないことは分かっている。でも、この世界ができた原因?というか理由は、平和で、平等で、幸せな「画一化」した社会をつくろう!っていうことでつくられた世界なだけで、なんか、それをつきつめてつきつめてつきつめた結果が、今のこの世界じゃないのかなぁと思う。だったら、今私たちが住んでいる世界は、TVとか(CMとか本とかいろいろ…)で、「平和な社会を」とか「みんな平等に」とか言ってるけど、それを本当に実現してみたら、本当に、本当に、幸せな世界や社会になるの?私たちは、平和、平和、平等、平等、幸せ、幸せって言ってるけど、そうなった世界(どうなるか)っていうのをちゃんと考えているの?その先をちゃんと考えているの?本当の幸せなの?ってことを作者は伝えたかったんだと思う。(まだ全部読んでないけど)

**********************************

うーむ…深い…
だれか世の大人たちよ、
最後の子の最後の文章に答えなくては。
世の中の矛盾を見事についていますね。


さてこの子たち、これからどうなるのでしょう?
本を読むことは、まさに新しい考え方、見方、生き方、価値観を創造することです。
私たちが本を読むときに普段やっていることでもあります。
いろいろなことの 成長期にある子供たちにこそこういう経験は必要だと思うのですが、
教科書教材ではなかなかここまでは難しいし、
今までの教え方じゃこれもなかなか難しい。
ブック・クラブを含むリーディング・ワークショップはそれを可能にしてくれると信じています。
まだまだ実践してほんのちょっとですが手応えは十分に感じています。
素晴らしい読み手を育てるために日々精進します。

1 件のコメント:

  1. う~ん、確かによく考え、かつ話し合い、そして書いて
    くれていますね。

    こういうのを子どものときにちゃんとやっているのと、
    やらないで大人になってしまう違いについて考えて
    しまいました。

    「気づいた時がスタート」と考えられれば、いまから
    だって遅くはないわけで、読むことを「あくまでも
    個人的な行為」という従来の読書の捉え方ではなく、
    「もっと共有する行為」と捉えたいですね。

    この本を普及する運動と並行して「ブック・クラブ」
    を普及する運動も起こしていく必要性を感じつつ
    あります。

    返信削除