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2010年7月18日日曜日

読み聞かせと考え聞かせ

 『リーディング・ワークショップ』(ルーシー・カルキンズ著)の続きです。

 読み聞かせは、日本ではすでにかなり受け入れられています。

 保護者が、学校側に受け入れられている数少ないものの一つでもあります。

 しかし、学校で熱心に読み聞かせボランティアをしている人たちも、家ではどのくらい熱心にやっているでしょうか? できるだけ長く、できるだけたくさんやるに越したことないのが「読み聞かせ」のようです。「できるだけ長く」は、文字通りです。他の教科を教えることなどできないと思う人も、読み聞かせなら何とかやれると思う人は少なくないと思います。ちゃんと、学校に入る前まではやっていたのですから。

 私も例にもれず、子どもが小学校に入るまでは相当読み聞かせをしました。でも、小学校に入学してからはパタッとやめてしまったような記憶があります。偉大なる勘違いをしていたと反省しています。

 読み聞かせは『ギヴァー』の主要テーマである「記憶を伝える」ことと言えると思います。人類の歴史や叡智の。それほど大切なものなんだと、やっと10年前に気づきました。ウェート的には、学校やテレビに任せてしまうよりも、親の責任という観点からは重要度が高いです。(数字でいえば、学校やテレビが1であれば、少なく見積もっても3~5倍ぐらいは。ひょっとしたら10倍かもしれません。)その意味では、やりたい人だけがやっていればいい「ボランティア」レベルのものであってはこまります。もちろん、何らかの理由で家で親やその他の家族による読み聞かせの恩恵を受けられない子どももいますから、学校でも教師などによる読み聞かせが頻繁にあることは必要だと思います。しかし、「主」はあくまでも家庭にあると思います。

 読み聞かせと同じレベルで、読み聞かせの後の話し合いや「考え聞かせ」やペア読書やブッククラブ(去年の10月今年の1月にすでに紹介)にも積極的に取り組んでもらいたいと思います。(『リーディング・ワークショップ』の第3、4、9、10、13章で詳しく紹介されています。)

 いずれも同じぐらいの価値があるものばかりです。逆に言えば、たとえ効果的だからといっても、何か一つだけをやり続けていればいいわけではない、ということです。バランスが大切です。

 ここでは、まったくといっていいほど知られていない、「考え聞かせ」のみについて簡単に説明します。考え聞かせは、人がどう読んでいるのかは見えませんから、頭の中でどのように考えているのかわかるように、考えたことや疑問や思い描いたことなどを、(読み聞かせをやりつつ同時に)口に出して語り聞かせることです。ある意味では、子どもたちが聞いたり・話せるようになったことを、読むことに応用した方法とも言えます。要するに、「読むこと=考えること」をモデルで示すことです。

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