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2010年4月29日木曜日

世界を変える言葉、言葉のある教室

 以下は、昨日も紹介した『リーディング・ワークショップ』の第2章「世界を変える言葉、言葉のある教室」の書き出しの部分(26~27ページ)です。

 ニューヨークの第95小学校で、最近、子どもたちが自分の書いた作文をお互いに読み上げて紹介するという行事がありました。この学校はサウス・ブロンクスにあり、およそ1,800人の子どもたちが通っています。9歳のジョンが立ち上がって次のように読み上げました。
 「小さいときにはお父さんがいて、服を買ってくれました。ある日、お父さんは何も言わずに姿を消してしまいました。僕は、お父さんがいないまま育ちました。自分のことを、使ったあとに捨てられてしまう一枚の紙切れのように感じています」
 自分の持っている服の中で一番いい服を着たマリソルが次のように読み上げました。
 「誕生パーティーを開いてもらったことのない子どもはたくさんいるだろうけど、私もその中の一人です。おばさんと一緒に暮らしています。おばさんはマカロニを料理してくれたり、出掛けるように言ってくれたり、どこに行ってきたのかと尋ねたりはしてくれるけど、私の誕生パーティーのことは考えてくれません。ドミニカ共和国には親の違う妹がいますが、その妹は誕生パーティーを開いてもらっています。私が誕生パーティーをしてもらったことがないということを誰も知らないと思います。
 もうすぐ10歳になります。私のために誕生パーティーが開かれることはないだろうけど、想像してみることにしました。友達がやって来て、一緒にダック・ダック・グース をして遊び、ラジオもかけます。ピンク色のケーキもあって『マリソルへ』と書いてあります。でも、私の夢もここで終わりです。
 誕生パーティーを開いてもらったことのない子どもはたくさんいるだろうけど、私もその中の一人です」

 1週間後、マリソルは10歳になりました。子どもたちとその親や先生たち、そして私の同僚でもある教員研修担当のパム・アリン先生は、マリソルのために公園で盛大な誕生パーティーを開きました。木々にはたくさんの風船が飾られ、誕生日プレゼントが準備され、ラジオをかけて、子どもたちはダック・ダック・グースをして遊び、大きなピンク色のバースディケーキもありました。ケーキの上には「マリソルへ、今までのお誕生日のすべてを祝って」と書いてありました。この日、マリソルは「誕生パーティーを開いてもらったことのない子ども」ではなくなったのです。

 後日、クラスの子どもたちは、言葉というものが人にいかに大きな影響を与えるのかについて話し合いました。マリソルが自分のことについて書いた言葉が、その話し合いの助けになりました。言葉が、どのようにしてこの誕生パーティーや、ときには国家全体に関わるような大きな切っ掛けになるかについて考えることができたのです。独立宣言や憲法の条文のような言葉は、まちがいなく社会を変えます。この日、言葉によって変わったのはマリソルだけではありません。このクラスの子どもたちそれぞれが言葉のもつ力について何かを学んだのです。

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 残念ながら、日本の作文指導ではこうはなりません。
 子ども一人ひとりの体験のレベルが原因ということはないと思います。

 また、アメリカでは独立宣言や憲法の条文にも社会を動かす力があるのに対して、日本ではそれがなさそうです。
 
 だからといって、これらの結果、アメリカの方がいいコミュニケーションが取れていたり、いい社会が出来上がっているとも言えません!

 少なくとも、言葉を大切にする努力や文化のようなものがあるというだけかもしれません。

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