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2010年5月8日土曜日

国ってなあに?            『ギヴァー』と関連のある本22

 前回、国が出てきたので、思い出した本があります。
 しばらくぶりに、『ギヴァー』と関連のある本です。
 私が1994年に出した『テーマワーク』(国際理解教育センター発行)です。
 生活科、社会科、総合的な学習にピッタリと思って出しました。
 グループワークや話し合いを使って学んでいきます。
 いまでは、授業でも結構使われるようになっているブレーン・ストーミング、ベン図を使った分類法、ランキング、タイムライン、ロールプレイ、イメージマップ、写真を使って(フォト・ランゲージ)などの手法が紹介されています。

 扱っているテーマは、①イメージ、②変化、③国ってなあに?、そして④ルーツと旅です。全部、ギヴァーの内容と関係すると思います。

 国ってなあに? を例にとって、その大枠での流れを紹介すると、
1) 生きるために必要なものは? のブレーン・ストーミングからスタート
2) 国ってなあに? のブレーン・ストーミング
3) 外国を訪れたことのある子へのインタビュー
4) 子どもたちがあまり知らないアジア・アフリカ・南米等の中からいくつかの国を選び、各グループに振り分けてから、その国についてどんなことを知っているか、知りたいかをブレーン・ストーミングする
5) 想像上の国を創造してみよう
  (大きな紙に6つの適当な形を描きます。その一つひとつが国を表します。実際の国が地図上でくっつきあっているように、この6つの国々もお互いに隣同士で密接な関係にあります。一つひとつをその形に切り離します。4~5人ずつのグループに、切り離した一枚=一つの国を渡します。それが各グループの国です。ここから、その紙に自分たちの国を描いていきます。)
6) 自分たちの国をつくる ~ 国名は? 気候は? 地形は? 資源は? 何を食べてるの? 国家は? 国旗は? 通貨は? 切手は? 
7) 互いの国を訪問し合う
8) 自分たちの国をみんなに説明
9) 6つの切り離された紙(国)をくっつけて大陸としてつながっていたら、誰にとって有利か不利か? ~ 実際に海岸だと思っていたところが内陸だったり、山脈の一部だったりということにもなりかねません。ほとんどの紙(国)は、島国だと自動的に思って国づくりをしますから(私たちはやはり日本人なんですね!)、6つがくっついているのを知らされてビックリ。半分の面は内陸だったのですから。
10) 貿易ゲームを体験する

 大切なコンセプトとして、「共通点と相違点」「相互依存」「イメージ」「偏見」「コミュニケーション」「公正」「力の分配」「原因と影響」「価値観と信念」「協力」「対立」「変化」などを繰り返し、繰り返し学んでいます。

 日本では知識の量に重きを置いた教育が相変わらず行われていますが、私がこの本や『ワールド・スタディーズ』★から教えてもらったのは、コンセプトこそをしっかり身につけることの大切さでした。それは、生涯にわたって使えるものですし、教科の枠を越えても使えるものです。ブツギリの知識や情報のレベルでは残念ながら使い物にはなりません。

 なお、この本には、学校ってなあに? 地域ってなあに? 家族ってなあに? 等にすぐ応用できてしまう事例も豊富に紹介されています。


★ 『テーマワーク』と『ワールド・スタディーズ』は、私が教育にかかわり始めた当初に出合った本で、いまでも私にとって大切な本であり続けています。私の教育へのかかわりがこれら2冊から始まったことが、とてもラッキーだとも思っています。

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