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2010年5月18日火曜日

日本の神話の本との関連

2月26日に紹介したTさんから、以下のメールをもらいました。

ちょうど、関連する内容なので紹介します。

この間、日本の神話の本(日本古典物語全集1 
日本神話物語 風巻景次郎著、岩崎書店)を読んでいて
ふっと『ギヴァー』に似ているなと思った点が
ありましたので、メールしてみました。

日本に文字がなかった時代、皇室や豪族の家には
その家すじを暗誦する、語部と言われる方がいた
そうです。
語部は大事な言い伝えを暗誦する重い役目を
持っていたため、その役目を仰せつかった人物は、
賢く、命を大切にするため長生きをする人が多かった
といいます。

これを読んだ時、突然『ギヴァー』が頭に浮かびました。
そして、レシーヴァーがなぜ、文字で伝えなかったのか
という疑問について、私の中で「そういうことか」と
なんとなくわかったような気がしたのです。

文字自体はすばらしいものだと思っていますので、
それを否定しているわけではないのですが、もしかすると
文字で伝えなかったのは、文字にしてしまうと
制限されてしまうからではないか、と思ったのです。

例えば夕陽を見て、きれいだな、と思ったとき、
その情景を文字で残そうと思っても、今、目の前で
広がっている情景は、文字だけでは表現しきれない、
そんな風に感じるのと同じではないかと思ったのです。
そのために、五感を使って伝承していく手段を
とったのかもしれない、と。

たったこれだけのことなのですが、これを思いついたときは
一人で感動してしまいました。

『ギヴァー』は不思議な本です。

読み終わってしばらくしてからも、こんな風に突然ふっと
頭の中に浮かんできます。

それほど、深い部分に語りかけてくる本なんだと改めて
思いました。

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