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2010年8月10日火曜日

『ギヴァー』と関連のある本 37

 今日は、『ヴィジョン』(トム・ブラウン・ジュニア著)です。トム・ブラウンは、7歳の時にアパッチ族の古老ストーキング・ウルフ(=グランドファーザー)と出会い、10年間サバイバルやトラッキングなどの技術を学び、その後、自然と共に生きる道を教える学校をつくって教えています。★

30 教えること/学ぶことの本質 = 「コヨーテの教え」「コヨーテ先生の手法」

 教える立場の人は、この「コヨーテの教え」をマスターしない限り、効果的な学びは作り出せない状況が続くことはほぼ間違いないと思います。教科書では、当然無理ということになります。

93 グランドファーザーにとって、アウェアネスに対する深い心構えを教えることは非常に困難だった。現代社会の価値観や教育は、古代の道にそったアウェアネスの教えと相反するものだったからだ...グランドファーザーの最初の目的は、リックと私の生活のペースを落とすことにあった。私たちはまだ幼かったが、すでに、考える暇もないほど忙しい社会のリズムにはまり、間違った目標を追い求め、自分たちの行動を時計で決め、将来にだけ目を向けて生きていた。しかし、一瞬を生きる喜びを理解するようになると、急ぐのをやめ、天地創造のゆっくりとした鼓動に合わせるようになっていった。 

 『パパラギ』を思い出してしまいました。

96 「動物に触れることができて初めて、その動物のことが理解できるのだ」

  平凡かどうかにかかわらず、すべてのことに驚きが詰まっているし、新しい発見があるものだ。

  またグランドファーザーは、現代社会がそうするように名前などに頼ってはいけないと言った。

  名前をつけることによって神秘さを失わせる。そして、多くの場合、人々は名前を突き止めることで、それがどんなものか知ったつもりになってしまう。名前をつけたら行き止まりになり、命名した人はそれ以上学ぶものはないと思い違いをするのだ。

  私たちと同じように、すべては成長し、変わっていく。何かを通して私たちが変われば、そのことに対する私たちの理解だって変化する。人は、新しいことを経験するとき、あらゆる状況に対して柔軟に対応するのではなく、何かよくないことが起こるのではないかと決め付けてしまうことが往々にしてある。過去の経験から先入観を持つのではなく、純粋に何かを感じようとすれば、まったく違ったものを発見するはずだ。 

 この辺、加藤陽子さんが『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』の中で言わんとしていたことに通じると思いましたし、ギヴァーの記憶を受け継ぐことを通してジョナスが学んだことにも通じるような気がします。

110 たくさんいる「何もしない」批判家と、ほんの一握りしかいない行動家

 行動家は変化をもたらす人々で、批判したりしない。行動するのに忙しくて、批判する時間などないのだ。

  そういえば、日本は一億総評論家などとも言われていました。


111 「自分にとっての現実」を作り出す

  それは、行動することからしか作り出せないと思います。


120 論理的なものの考え方をやめたときに、本能は認識され、正しく解釈される。

  いまの論理的思考ブームはいったい何だ! ということになります。


そして第8章の「グランドファーザーと釣り人」は、さくらももこさんもいたく気に入って、『グランドファーザーとつり人 』という絵本にしたぐらいです。

200 グランドファーザーは水を味わったように、生涯を通して完全なる歓喜の域に達するまで全感覚をフルに使って何でも知ろうとした。彼は葉をやさしく撫でたり、花に触れたり、匂いを嗅ぐために粘土質の土を両手に取ったりしながら森を歩いていたものだ。何か小さな変化や違いはないかと、普通なら通り過ぎてしまうもっともありふれたものでもじっくりと観察するのだ。

 彼の人生はいつでも真新しく新鮮で、興奮するような冒険が詰まっていた。いつでも思いっきり遊ぶ子どものように、世界と自分の生きる道を探し求め、味見をし、触れ、匂いを嗅ぎ、耳を澄まし、そして見ようとしたのだ。彼にとって、この地球のすべての存在は敬愛するに値し、人生は絶え間ない感謝の祈りに満ち、そして、探求の旅はいつも至上の喜びのためにあった。私は日々をありのまま生きるグランドファーザーの姿を見て、どう生きるべきか、人生の本当の意味とは何かを学んだのだった。

 この部分を読んでいて、エリザベス・スピアの『ビーバー族のしるし』を思い出しました。アメリカ東北部の開拓時代にインディアン(アメリカ先住民)と出会った少年の物語です。(ケビン・コスナーの『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に近い内容をもった本です。順番的には、スピアの本の方がずっと早いですが。)

 すでに東部開拓時代の人たちですら、遠ざかりつつあるグランドファーザーの生き方ですから、ましてや現代人にとっては、ほど遠いものを感じてしまいますが、「釣り人」はまさにその代表者として描かれています。


★ さくらももこさんも1週間体験入学したことがあるそうですが、まったくといっていいほど歯が立たなかったようです。歯が立たなかった理由の大半は言葉(英語)の問題だったようですが。
  それを本にしたのがあるのですが、そもそも本にすること自体、著者も、出版社も間違っていました。そういう判断を書く人や出版して本を出す出版社ができなくなっていることに、恐ろしさを感じます。

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